★ひとファイル★

馴染んだ、親しんだ、愛した、嫌った、わたしが出会ったひと達のお話

いちばん近くて遠いひと21

わたしは基本、テレビを見ない。

彼がつけた番組をなんとなしに見入ることはあっても自分でつけることは滅多にない。

 

だから自分がつけた時、それは真剣に番組を見たい時なのだ。

彼はテレビをコミュニティのアイテムのひとつ、と捉えているフシがある。

だから役者の肝心な台詞の場面だろうが

クイズの正解のところだろうが

横からがんがん話しかけてくる。

 

それはレンタルしたDVDを観ているときも同じ。ストーリーがまったく入ってこなくなるため、迷惑だし、やめてほしいのだが

黙れ、と頼んだことはない。

そういうとき彼はご機嫌なので、我慢してやりすごせるならわざわざ不機嫌にしたくはないからだ。

 

まえに

プールの監視員の青年を追ったドキュメンタリーをみていたときのこと。

ライフセイバーとして活躍する職場で

嬉々と働くその青年について

彼が、まぁ彼らしい、うがったウンチクを述べ始めた。

 

こういう仕事を選ぶは、自身で気づかない心の底にすこしロリコンのケを持っていて、なにが好きって要は水着の幼女が好きらしいよ。

 

そうなんだー、で相槌を打てば済む話を

わたしはやり過ごせなかった。

 

そうかなぁ。それってごくごく少数派なんじなないの?

命を救うという使命感や有事の救出の

達成感とかで選んだ、そっちのが大多数だとおもうけど。

 

あ、言っちゃった、と思った時には既に遅く、

そこから長い長いディベート大会。

 

必死にわたしの意見をつついて打ち砕こうとする彼に、次第に苛々しはじめ

 

あのね、あなたの意見が間違いだ、と言っていないよね?可能性としてはある、と言ってる。

わたしの意見も同じ。

どちらが正解か決めつけることになんの意味があるの?

正解はあの青年自身わかっていないかもしれないのに。

どうして、ハナコはそう考えるんだね、で

終われないの。

 

こんなことはよくある。

 

わたしはホラー映画が嫌い。

憎んでると言いたいくらいだ。

彼が鑑賞に付き合ってほしい、と望んでも

のちのちのメンタルに支障をきたすとわかっていることをわざわざしたくない。

だから断る。

しつこく言われると、そりゃ、必死に断る。

  

すると

ホラーが嫌いなひとというのは。。。と

これまたウンチク盛り盛りの分析が始まり

自分だってしたいことばかりしているわけでなくハナコが好きだから、で合わせてきているのに、ハナコはそうはしてくれない、と言い始める始末。

 

あなたが車で高速を走れなくなったのは何故だった?それまで平気だったのに

急な圧迫感に襲われてパニックになった経験が原因だったよね。

 

どんなに説き伏せられても平気だ怖くないと

押し付けられても無理なものは無理でしょう?

ホラー映画だけ勝手に低いハードルみたいに言わないでほしいよ。

 

なにより

わたし、わたしの分析係をあなたに頼んだ覚えはないよ。

ハナコはこうだからこんなひとだ。

ハナコは過去こうだったから今こうなんだ。

頭の中でどう思っていようが勝手だけど

いちいちわたしに伝えてこないで。

わたしをあなたの基準だけで固めて

それ以上、それ以下の可能性をつぶさないでよ。

 

 

こうして書き出すと

まんざら自分が間違ってるとおもえない。

おかしいな

彼といると、おかしいのはわたし、が

しっくりくるのに