★ひとファイル★

馴染んだ、親しんだ、愛した、嫌った、わたしが出会ったひと達のお話

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愚痴ばかりじゃないか、とおもう。

 

こんな記事を1から読んだら

わたしなら苛々するだろう。

飽きることなく悩み続け、気持ちを落とし、

自信を喪失してゆく経緯の記録でしかない。

 

たるを知れ、か。

 

屋根があり、暑さ寒さを凌げる外壁があり、

柔らかい寝床がある。

当たり前に水があり、清潔なトイレや風呂もある。

明日の食料がないわけでもない。

車を持ち、衣服や、趣味にお金をかけることもできる。

国が違えばセレブな暮らしともいえる。

 

心をぴたりと閉じた彼との暮らしは

独り暮らしよりはたぶんマシ。

生まれ落ちた故郷に帰って暮らすことに比べれば

もちろん今の方が格段にイイ。

 

同郷の元夫や、わたしの親類縁者が

ウヨウヨ居るあの場所に移住したら

わたしは犯罪者なのだ。

罪名は離婚。

今は治外法権によって安穏としているわけで

ひとたびあの地に足を踏み込めば

罪人に値する暮らしが待っている。

 

それをおもえば、ここはまだ自由のきく優しい世界だ。

なのに、さらに優しくされたいと

求めることがよくないのだろう。

 

 

わかっちゃいる。

理屈で考えれば。

 

 

理屈通りに動ける人間ばかりなら

世の中はすべてがうまくゆく。

 

自分のことが、

たんなる邪魔な荷物のように感じてしまうこの

靄がひとりでに晴れることはない。

かといって唯一の他力である彼に期待できない。

 

逃げちゃだめだ、は、正しくて正しくて

嘘くさい。

 

逃げちゃえば?

だってどう転んでも

きっと悔やむんだし。

どうせ悔やむなら楽になりなよ。

 

だよね。

 

だよね。