★ひとファイル★

馴染んだ、親しんだ、愛した、嫌った、わたしが出会ったひと達のお話

いちばん近くて遠いひと40

ここで呟きはじめてひと月半になる。

 

近寄り過ぎないことで、

衝突を回避しているこの状況を、

安定と呼んでいいものか。

 

連休初日の今日、朝に仕事に行き、

帰宅とともに生理の鈍痛で眠ってしまった。

不快な夢から目覚めたのは、

彼が台所でがちゃがちゃと食器を片す物置がやたらと大きく響いてきたからだ。

 

寝ているから起こさないように、という

配慮はゼロになったらしい。

洗顔や、洗い物のときの蛇口をひねる水量も

どうやら気にしないことにしたらしい。

じゃぁじゃあ、がちゃがちゃ、騒々しいことこの上ない。

 

部屋を移動しては立ったり座ったりする際の

よいしょ、んっ、とかいう

掛け声とも独り言ともわからない呟きだけ

なんとも愛らしい感じ。

かといって

近寄ると拒絶をくらうわけなのだが。

 

猫みたいだとおもう。

 

抱き上げて横に置いておきたいと思っても

そんなこちらの気持ちなんか知るもんか、と

言わんばかりに好きに動き回る。

ツンケンしながら近寄りすぎず、離れすぎず。

 

居ることを、咎めはしないけど

居ないも同然に扱うよ、なのか。

それとも居ないも同然なのか。

 

彼が猫ならわたしは犬だ。

 

手を広げ、おいでおいで、をされたら

尻尾ふりふり近くけれど

手痛い躾をされたらば

きちんと学習して隅でじっとうずくまる。

 

猫と犬じゃ

噛み合わない。

 

猫が相手ならネズミのほうがまだよかったんじゃ

ないかとすら思えてくる。