★ひとファイル★

馴染んだ、親しんだ、愛した、嫌った、わたしが出会ったひと達のお話

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いつのまにか

まぁ、勝手にやってる事だけれど

夕飯係になっている。

 

金曜は何を食べるかと尋ねたら

買い置きのカップ麺もあるし、特には、と言われたため、作ることなくおえた。

木曜に、彼が箱買いしてきたカップ麺はまだ10個ほどある。

 

別に何を食べてくれようがかまわないのだけど

ほおっておくと平気で毎日毎食カップ麺を食べるのが

目に見えている。なんとなく嫌だ。

 

土曜の夕飯は冷蔵庫の余り食材を見て

焼うどんにしてみた。

わたしにしては、濃すぎず、適度な味付けで完成したようにおもう。

 

今日は、昨日安く買えた黄色と緑のズッキーニを使いたいと考え、追加購入食材を出来るだけ抑えるメニューということで。。

ひさびさにナシゴレンを。

 

冷凍してあったササミとズッキーニ、ナシゴレンにのせる目玉焼き、白菜のスープ。

不味いも、美味いも言わないヒトに差し出すとなると、レシピに忠実に作るに限る、ということで、らしくない計量をしながらの調理。

なかなか上手くできたと、自身は満足だ。

 

磯臭さが苦手な彼にナンプラーの匂いは大丈夫なのか、いつも気になるが、

大丈夫、と言ってたよね、と頭の中だけで念押し。

変わらず黙々と食べる彼に

ナシゴレンだよ、と教えてあげた。

ナシゴレン。。と返事があった。

 

記憶喪失者か、あるいは、秘境の地でヒトならぬものに育てられた野生児みたいな

反応に、すこし笑いそうになるも堪える。

 

というのも

今日買い物に出かけ、帰宅して

返事を期待しないままに、ただいまぁ、と

声をかけたら

 

お、、はい。

と返事があった。

 

おぃ。。いま。。おかえり、って言いかけたよね?ひっこめたよね?

知らんぷりしといたけど

その気のない、はい、は、あえてチョイスしてるわけだ。

なんのことはない、ヤツは、拗ねて意固地を押し通そうとしているのだ。

 

そうとなれば容易い。

 

夕食の後、いつもなら自室で読書のわたし。

隣室で彼が仮眠を取り始めたタイミングで

急ぎ毛布持参にて部屋を移動。

 

ベッドかとおもいきや

ソファで寝支度のヤツの頭上から

寝るときはもれなく潜り込むよ、と宣言したところ、

4ヶ月ぶりの笑顔をみた。

 

ただ、まぁ。。

油断大敵。安心してはいけない。

ここはスローにスローにいかなくてはならない。

 

眠れそうになかったこともあって

つけたテレビ。

横目で確認してみたら、彼も手にしたスマホから顔を上げ、画面に目を向けている。

ただ、何も口にしない。

 

どうやら、わたしの振る話に、1ターン以上の返事をすることや

時間や娯楽を共有することは

これまでの流れの中で、彼的にはNoらしい。

 

近寄りすぎれば求めたくなる。

求めないための距離感を破らない。

そういうことなのだろう。

 

めんどくさいヤツだ。

 

元通りは求めない。

わたしも欲は張らない。

そうしたらいまより寂しくなく

自分らしくいられるのかも。