★ひとファイル★

馴染んだ、親しんだ、愛した、嫌った、わたしが出会ったひと達のお話

半分閑話休題

近くの図書館に毎週末通っている。

 

マンガ本5冊と文芸書5冊を借りてくる。

最近システムが新しくなり、選んだ本は

バックに入れてカードと共に筒状ゲートをくぐるだけで貸し出し手続きが完了できる。

 

前にも借りたような気がしながら手に取ったのは

「夢をかなえるぞう」

ぱらぱらめくると、おっさんチックな関西弁が並んでいたので、なんだか、今の気分を楽にしてくれそうな気がして借りてみた。

 

いっとき話題になった本なので

なんとなく内容はわかってはいたけれど

あらためて読むとよくできた書物だった。

 

わりとテキトーかつ、ワガママな、なぜだか関西弁の神さまが、主人公の願いを叶える手助けをすべく、あれこれ指南してゆく、というストーリーなのだが、

堅苦しい言語が並ぶ自己啓発本とは違い、

わかりやすい比喩をユーモアまじりに、親しみをもって読者に提供する感じだ。

ワガママ神さまが出題する課題は、いくつかあり、

なかには、それならすでに自分はやってる、というものもあれば、

やろうとしたこともない、というものもあり。

 

いちばんそばにいるひとの

気持ちを推し量り、望まれていることに応えていないわたしには、胸が傷む本だ。

 

 

ずっと考えてきた。

彼と最低限の話しかしないままのこの関係を

ストップさせねばならないか、と。

けれど今日

ぞうの本を読んですこし思い直した。

 

いまのわたしは

彼に意見したり、先々の関係性を提案したり

そんなことができる立場にはいない。

卑屈になるわけではないけれど、事実

わたしは、いま、ここに住まわせてもらっている、のだ。

彼の名で契約したこの部屋で

借り暮らしの身でありながら

あれが嫌だコレが嫌だ、ふたりの関係性が

こんなでは嫌だ、を、言える立場にいるのは

彼だけだ。

 

わたしの方からこの先動くとすればそれは

彼が出てけ、と言ったときか、

もしくは

わたしがつらくなり、出てゆきたいと思ったとき、の、ふたつのどちらか。

 

食事くらいはいっしょにどう?と言えるのは

彼の仕事を覚えた頃だろうか。

彼の仕事を覚えて不測の事態に備える要員となったら、

暮らしの基盤を支えるための数割は

負担している、と言えるのだろうから。