★ひとファイル★

馴染んだ、親しんだ、愛した、嫌った、わたしが出会ったひと達のお話

いちばん近くて遠いひと41

3連休が終わろうとしている。

 

今日は図書館の日。

先週借りた10冊のうち9冊を返却して

5冊の漫画と3冊のハードカバーを借りた。

帰宅して漫画から読む。

先週借りた漫画の続編。

一気に読んで物足りなくなり、読んだばかりの5冊を紙袋に詰め、今一度図書館へ。

 

読みかけの別の漫画の続編を借りて車に乗り込もうとしたとき、

すみません、と声をかけられた。

 

青年と中年のちょうど間くらいの男性が、

ファイルに入ったビラのようなものを片手に近づいてくる。

何かの勧誘か、アンケートか。

 

営業の仕事を始めてから、こういうふうに

声をかけられたら、なるべく丁寧に対応するようにしている。

相手の目的が何にせよ、人脈を広げるキッカケになるかもしれないからだ。

 

「道徳とか、正しく生きる、ということに

興味はありませんか?

セミナーを主催するんです。

参加者を募っていまして。」

 

差し出されたビラは、モノクロで味気なく、

彼が語ったこと以外に惹きつけられそうな文言も見当たらない。

ちょっと宗教クサイぞ。。とは感じたものの、

目の前の青中年男性が、どちらかといえば

感じの良い部類の人だった事もあり、

どういった団体の主催なのか問いかけてみた。

 

聞いたことのない団体名だが、チラシには県名の横に支部の文字が。

全国規模の団体なのかもしれない。

開催は来週。自宅からほど近い多目的ホールだ。  行けないこともない。

 

とりあえずチラシだけいただけますか?と

言ってみたら、

すみません、これ、渡せないんです、と言う。

渡せないって。。募る気があるのかないのか。

なんともお間抜けな主催者じゃないか。

仕方がないので、じゃぁ、写メっていいですか?と言うと、

ありがとうございます!と、嬉しげ。

 

すかさず

じゃぁ、つぎはわたしの番ですね、と切り出し

自身の仕事を伝え、営業対象になりうるか、

簡単な質問をいくつかして、ロックオン。

 

そうこうしているうちに、彼の同胞らしき方々が次々集まってきた。

「ビラの写メとってくださったんです」と

嬉しげにわたしを紹介する彼に

仲間が

「逆に営業されてるじゃない」と笑う。

 

わたしも笑顔を返しながら

「なにかの縁かもしれませんしね」と返す。

 

3月は決算処理で忙しいため、4月なら商談の時間を割いてくれる、との事。

自営としか語らなかったが、起業家だったら

大当たりだ。

 

まずその前に来週のセミナーは参加せねばならない。

正直、道徳やら倫理やら、そういう道から外れて外れて出来上がったわたしに

参加資格があるとは思えないのだが、

わたしはわりと、初見の方には真面目で正しく生きているようにみられがちだ。

しばらく猫を被っておくに限る。

 

連休初日の休日返上仕事で

強見込みの商談がまとまりきらず、流れそうな気配にあり、意気消沈していたところなのだ。

救世主あらわる。。となれば文句なし。

 

 

彼とは、この連休も、とりたてて大きな変化なし。

黙々と各自がしたいようにして過ごした。

わたしは掃除をしたり、

本を読んだり、通販の返品手続きやら

買い出しやら、出たり入ったり。

彼はゲームをしたり、眠ったり、ご飯を作ったり。

 

会話らしい会話は二言三言。

 

しずかに今日も眠りにつく。

明日も明後日もきっとこんなふうに

過ぎて行くのだろう。