★ひとファイル★

馴染んだ、親しんだ、愛した、嫌った、わたしが出会ったひと達のお話

夢記録

長い時間の運転に疲れたか、夕寝してしまった。

情緒乱れ気味なこの頃、たまに

後味しっかり残る夢をみる。

 

水路に子供が仰向けで流れてくる場所があるのだ、と誰かしらに教えられ、

車を走らせてかけつけると

坂道から下ったS字の道路の脇を沿う、水路というには大きすぎる溝に

噂通り、仰向けの子供が流れてくる。

きらきら光る清流の中を流れてくるその子を

道路に立った父親らしき男性が、

ひょいっ、と引き上げた。

子供も平然としている。

河童みたいだな、と思うと同時に

自分が、道路のど真ん中に駐車している事に気付き、バックミラーを覗くと、背後の車が

わたしの発車を待っている。

慌てて脇に停め直そうとするも、いつのまにか

キーがなくなっていて慌てる。

ブレーキを解除して坂を利用しつつ、どうにか脇に避けた。

 

そこに、知人のスズカがやって来て

坂の上のショップのフードコートで昼食をとろう、と誘ってきた。

先に行っているから、という彼女に

用を済ませたら合流する、と告げ、後ろ姿を見送ったあと、フードコートは混雑するだろうから、自分が食べる分は電話で注文しておこう、と思い立ち、フードコート内の人気カレーショップのチキンバターマサラを注文した。

 

そこへ、人気カレーショップのオーナーである男性が現れる。

彼は酷く興奮していて、何かに怒っている様子で、どういうわけか、スズカはどこだ!と

鼻息荒い。

スズカの居場所を教えてはならないと思い、

スズカなら、さっきあちらに走っていきました!と、坂の上のショップとは反対方向を指差して教えた。

スズカを心配しながら、用事を済ませに

帰宅したわたしは、娘とふたり暮しの設定になっていた。

 

メルヘンチックな部屋。

ピンクを基調とした内装。

娘は絵を描きながら、羅針盤のようなものを操作している。

かちんかちんと耳触りな音がする。

その音、どうにかならない?と、問いかけていると

携帯電話が鳴った。

スズカからだ。

 

昼食はフードコートのカレーを注文したから

出来上がりに合わせて、そちらにいくよ、と

伝えようとするのだが

何やらスズカの様子がおかしい。

あちらからかけてきた電話なのに、話しかけても返事をしないのだ。

異変を察知して、

スズカちゃん、もしかして、いま、話せない状況なの?困ってるの?と聞いてみる。

返事はない。

かわりに耳に飛び込んできたのはカレーショップのオーナーの、低い声。

わたしの機転が無駄に終わり、スズカが捕まってしまったのだ、と知り、

救出に向かうべく、娘に、緊急事態発生したから行ってくる!と告げたところで

目が覚めた。

 

スズカは、無事か。

スズカはいったいオーナーに何をしたのか。

 

目覚めてぼんやり考えながら

夢の中でやたらうるさかった、かちんかちんの

音の正体が

彼の操作するゲーム機の音だった事にきづいた。

 

毎日更新の漫画のように

結末まで丁寧には配信してもらえない。

 

水路を流れてきた子供は

生死にかかわるような状況であろうに、

桃太郎の実写版のような物語仕様になっていて

この夢は、わりに優しげな雰囲気で始まったのに、

後半のカレーショップのオーナーときたら、

目を血走らせ、刃物を持っているだろうと思わせる様子で、

緊迫したストーリーに転じてしまった。

 

夢の世界はユニーク。

場所も人もコロコロかわる。

目覚めて居残るのは、夢で味わった感情。

 

現実よりも

夢の中のほうが

豊かな感情でいられる、って

芳しくはないのだろうな。