★ひとファイル★

馴染んだ、親しんだ、愛した、嫌った、わたしが出会ったひと達のお話

無69

あれもない

これもないと嘆いているより

あれはある

これもあるを探せと、いうけれど

 

あれがちがう

これもちがう

これがおなじ、もみあたらないとしたら

ちがいを探すことをやめて

ちがうのだね、と、認めあって

なかよく居ることはできないだろうかと考える。

 

彼をひとりきりの世界に戻すことは出来ない。

わたしもひとりきりになりたいわけではない。

男女が無理ならば

誰よりも互いを知る最上級の友人になれば

いいのじゃないかとおもう。

 

彼が、彼氏だと思うからキツイのだ。

 

彼氏なのに

話しかけても、ひとこと返事で会話が終わる。

話しかけてくることはない。

 

ひどく退屈でつまらない毎日。

 

彼が言うように

きっとわたしのほうがずいぶんと恵まれてはいるのだろう。

だから?

だからなんだというのだ。

比べて不幸なんだからすべて飲み込み受け容れろ?

 

彼は理屈と道理でわたしを諭そうとしてきた。

ふたりで暮らすということは云々。。

共に居るとなったのならば籍を入れて

責任を負うべきだ云々。。

 

理詰めで言われれば言われるほどに

わたしの心が抗う。

 

彼の言うことは、聞けば聞くほどにもっともで。

なのにその通りにしてみようか、と

どうしても気持ちが動いてゆかない。

 

そんなわたしをみて

また淡々と分析してみせては

わたしの気持ちがさほどないのだ、と感じたふうな彼。

 

きっとわたしは

理屈では動かないタイプなのだ。

感情を揺さぶられて初めて足が前に出る。

 

ひとりはいやなんだ。

いっときでもいやなんだ。

1日の中で、できる限り横にいてほしい、

 

そう訴えられるのと

 

僕はずっとハナコが他の誰かと過ごす事も

本当は嫌なんだよ。

けどまぁ、ハナコは普通の人だし

こちら側ではないから友達との時間も必要なのだね。

だから僕はハナコに合わせてゆくしかないよ。

自分の気持ちを抑えてゆくために

封印してきたゲームにも没頭するし

これまでのようにふたりきりを楽しんだりはしない。

 

こう、では

わたしの揺さぶら方に大きな差が生じる。

 

彼は自分の気持ちだけをストレートにぶつけてはこない。

自分とわたしの世界を区切り

こちら側、あちら側、という言い方をして

自分のいる側を貶めながら

じんわりとわたしを責めるのだ。

 

そんなつもりはない、と言われても

わたしがわたしでいることは

彼にとって大きな失望なのだろうとしか思えない。

 

わたしが欲張りすぎるのだ、とも思ってきた。

わたしは70パーセントあげる。

あなたは100パーセントくれないの?

そう、言っているのと同じなのだろう、と。

 

今はちがう。

わたしも

あなたも50パーセントくらいで

いっしょになかよくいられない?だ。

 

知人よりも友人よりも

話をしない関係が

おかしいことだとは思わない?

 

 

 

わたしは

おかしくなりそうだ。

 

 

 

かみひとえ68

夕方からの時間が長すぎる。

毎日借りてくる本を読み終え、

シャワーを浴びてそこから2時間ひとりきり。

 

自らスイッチを入れたことのなかったテレビをつけるようになった。

自宅に付いて行き、住人の人生を垣間見る趣向の番組を観た。

以前、彼が気に入ってチャンネルを合わせた番組だ。

ひとりやもめの悔恨があれば

人生、今が華ざかりとばかりの眩しさがあり、

人は外見では判断出来ないものだな、と

関心しながら、よくふたりで観たものだ。

 

彼が好むのは、充実した幸せ人生模様ではない。

転落人生の末路や、長い年月にわたる孤独といった、絶望感よりは緩やかな静かでグレーな日常を映したもので

そういう回を観ると

やっぱり、こうでないとね、面白味に欠けるよ、と言うのだ。

 

それは他人の不幸を甘い甘いと味わうというよりも、自分のように寂しい人生が、ほかにもあるのだ、と、安堵しながら荒だった心をなだらかにしているようだった。

 

カメラを自宅に招き入れて語る言葉や

映像だけで、その人の人生の色合いがわかったような気がするだけで

ほんとうのところがどうなのかはわからない。

 

カメラの前に座りながら語るその人の

言葉のチョイスによって聞き手の心象は随分かわってくるだろうし。

 

たとえばわたしが今、この部屋に座り

インタビューを受けたら、

ひとりぐらしですか?ーいえ、彼と住んでいます。

ご結婚は?ーしてないです。

失礼ですが既婚歴は?ーあります。

お子さんは?ーいます。

今の彼との出会いは?ー随分前からの知り合いでした。

 

部屋を眺め渡すカメラマン兼インタビュアは

まず、ふた部屋に分けて置かれたベッドに目を止めるだろう。

寝室は別なんですか?ーそうですね。彼の歯ぎしりがひどいのと、わたしのイビキがひどいらしいので、と、今の状況を詳しく話す事なく、おちゃらけてゲラゲラ笑うのだろう。

 

生まれは?とか、前に住んでいたところは?とか、ここに住み始めて何年ですか?とか

どんな質問にも笑顔で答えながら、次第に

さて、自分をどんなふうに魅せようか、と脳内ルーレットを回すだろう。

きっとルーレットの針が止まるのは

紆余曲折波瀾万丈のち、ささやかな幸せを手に入れたわたしバージョン。

 

都会から一転、田舎に来たけれど

住みやすくて人も穏やかで、時間の流れが違いますね、とか言うのだろう。

 

実際のところ、住みやすくはない。

田舎の物価が安いというのは昔の話で

近所のスーパーも地産地消店も

都会のディスカウントショップに比べれば

ちっとも安くないばかりか、必要なときに必要なものがすぐには手に入らない。

 

時間の流れだって、都会だろが田舎だろうが、そんな変わるものではない。

アフター5に出歩ける場所がほとんど無いことが今のわたしを苦しめる。

 

ふらりと出かけて時間を使う場所がないのだ。

 

あれほど嫌でたまらず飛び出した実家と

似たような環境に身を置いているのだ。

彼との関係がこうなった今、誰からも干渉されない、あの居心地の良い場所を捨てたことを、後悔していないはずがないではないか。

 

とはいえ

彼との暮らしで得ているものはたくさんある。

ふたりでいるけれど孤独を感じるのと、ひとりで感じる孤独が雲泥の差だろう事くらいはわかる。

眠れない夜に背中をあたためてくれるひとの存在は大きい。

経済面で頼らないと決めたにしろ、実際のところ完全な独り暮らしになったら今の収入では立ち行かないだろう。

 

ただ

いつまでたっても

仕事の確認以外は話しかけて来ず

他愛のない会話をシャットダウンしたままの彼と

このまま永遠に暮らすのか、と考えたときに

 

裏切り者だ、嘘つきだ、逃げ魔、人でなし

どんな言葉を浴びせられようとも

その先、路頭に迷うことになろうとも

 

たった1度の人生を

好きに生きたくてたどり着いたこの場所が

間違いだったと気づいたのならば

 

一目散に駆け出すことが

わたしを救う唯一の手段なのかもしれないと

おもうのだ。

日に幾度も。幾度も。

 

おかえりなさい、に

ただいま、が帰ってこないこの毎日が

続くのならば

わたしはなにをするために

ここにいるのか

 

インタビューを受けるのならば

 

ーあの時は辛かったですね、でもいまは、

もう大丈夫です。

 

心底そう感じて、そう言える、

その時が

 

いい。

 

 

流れ出す67

悪い波が押し寄せてきた。

 

夕飯を差し出し

気の無い、ごちそうさま。。を聞き

彼を送り出したとたんに薄黒い何かが

どろりと左右の胸の間あたりから流れて止まらない。

 

わたしをみないひと。

 

寝床にゆけば頼りなく抱きしめてくれる。

行かなければひとりで眠る。

 

彼はまるでそれが誉れのように言う。

僕にはひとつだけ誰にも負けないものがある、

それは誰よりもハナコというひとを

知っているということだょ。

 

その言葉が今のわたしにとってどれほどに

恐ろしいものか、わからないのだろうか。

 

さんざ、ダメ出しをされた後に

そう言われることがどういう捉え方をされるか

わかっていて重ねるのだろうか。

 

おまえなんかだめだ。

これほどにだめだ。

 

知らしめるその言葉に愛を感じるとおもうのだろうか。

 

かつて

あうたびに、言葉の端々に

ガラス片を散りばめるようにしてジクジクとわたしを刺したあの人に

立ち向かう事が出来なくて

自分を消したいと虚ろな日々を過ごしたことや、

そこから這い上がり、ケアをして

生きやすさを取り戻した経験について

幾度も彼に話してきたというのに。

 

今や彼も、あのひとと同じようにわたしをジクジク刺し続ける。

 

またあの闇に引きずり戻されるのか。

 

わたしを誰よりも知る彼なら

わかるだろうに。

 

わたしがいま

逃げてしまいたいと

思い始めていることに。

 

 

彼の正解は

わたしの

不正解。

 

わたしの正解は

彼にとっては

不可解。

 

知るは残酷な事実ばかり66

ひらめき降臨の後に

いざ行かん!議席に!

不参加許さじ!引き摺り出すぜ!

の、勢いを持って出陣した結果

 

甘い武装を攻め込まれ

傷まみれになって

再起不能に陥った一昨日。

 

話さないものを話して話して

絞り出そうとした結果、得たものは。。

 

彼はわたしの鏡だという

なんともシンプルな答。

 

気持ちは

わたしが与えるぶんだけ

きちっと彼から与えられる。

 

見事に測ったように、ぴったり同じ分量。

几帳面で律儀な彼らしい。

 

だけどもそれはまぁ、当然で。

 

わたしは、自分が彼に与えるそれの量よりも

たくさん欲しいと望んでいたというわけだ。

 

なぜ彼はこんななんだろうか、と

不満が溜まっていった背景には

わたしがそんなだったからだ、という

わかりやすい理由があったのだ。

 

彼以外にも案じ見守りたいと願うひとがいることや

わたしには彼の居ない時間を愉しむ術があるということが

彼にとっては受け入れがたい事実だったのに

仕方のないことだと、軽く処理してきた。

 

離れて暮らしていたって、わたしが生んだ子を

わたしが絶えず気にすることは

おかしなことだと思えないし

ふたりでいる時間のほかに、ひとりでしたいことがあるのも、当然だと思ってきた。

 

彼にとってはどれもこれも、わたしの、当然、は望まないことばかりだった。

 

ふたりぽっち、に

なるために、この部屋を用意したのに

ひとりぽっちと、そうでないもうひとりで

暮らしているのだと気づいた彼は

すこしずつ後ずさりするように

わたしとの距離をひらいてゆく。

 

毎日あった帰宅を知らせるラインが無くなり

たわいのない会話が無くなり

ねようか、の合図が無くなり

おはよう、も

おやすみ、も

いってきます、も

ただいま、も

なくなった。

 

わたしの目を見て話すことや

かわいらしいねぇ、と目を細めることも

 

なにより

 

話しかけてくることがいっさいなくなった。

 

 

不安なのだ、と彼は言う。

不安なわたしを差し置いて

不安なのだと言う。

その不安は

 

わたしが居なくなることではなくて

 

わたしと居たいという

きもちが消えることなのではないかと

そうおもう。

 

 

必要ではある

 

それだけなのかもしれない。

 

今日も脱力しながら

それでも不安なわたしは

彼の寝床にしのびこむ。

降臨 いちばん近くて遠いひと65

ヒトというのは。。。すばらしい。

 

ひとつの物事を懸命に時間をかけて

突き詰めて考えれば自ずと答えに導かれてゆくものなのだ、と、ついさっき体感した。

身が震えるほどの衝撃だ。 

 

なにしろこのカテゴリ65巻である。

超大作ゆえの長時間執筆。(厳密には長時間フリック)

 

彼がわたしより8つも年下なのだ、ということは、喧嘩の度に彼のターンで繰り出されたカードなのだが、

それがなによっ、とばかりに火炎噴射で焼き払って、ダメージを受けることはなかった。

だけど、そのカードを改めてしげしげ眺めていたら、スコンっ、と何かが降りてきた。

 

あ。。

わかってしまった。。という感じ。

 

男女の関係だから私達はうまくゆかないのだ。

年の差のある異性の友人であれば

彼ほど一緒にいて気楽なひとはいない。

 

彼、彼女だ、という前提のもとに

共に暮らし始めたから諍いしか起こらなかったのだ。

彼はわたしの持つもの全てを眺めては

僕より多すぎる、欲張りだ、同じだけに揃えなよ、と畳み掛け、

わたしはわたしで、彼のわずかな持ち物の中から、わたしが持っていないものがあるのを目敏く見つけ、そんな宝があるのだからいいじゃないか、と嘯いた。

経済力でわたしに勝っている彼に

ケチケチせずに、稼いだものは合算してつかっちゃおーぜ、と厚かましくなったりもした。

 

友人になら決してしないことをやりあうふたり。

 

悪態、暴言、無視、妬み、嫉み

他人には見せないドス黒い部分を

余すところなく披露しあってきたのだ。

 

夕方

彼が仮眠するソファに、添い寝しようと

いつものように潜り込みに、足音忍ばせて近づいたら、ぱちっ、と彼の目が開いた。

一瞬ひるみながら、それでもするりと身を滑り込ませてみた。

眠りの中にいない、意識のある状態で

そうしてみたら、彼がわたしと密着しないように腰を引いたのがわかった。

それでもぴたりと背中を彼のお腹に当てるようにしてみたら

あ。

彼にはもう、気持ちがないのだ、と

身体が教えてくれた。

 

この、無意味かもしれないスキンシップを始めてから気づいてはいた。

彼の身体が硬いことに。

以前の彼は背後からわたしを抱くときに

柔らかな感触を与えてくれていたのだが

狭いスペースだという理由を除しても、背に感じるそれは、圧迫感だった。

 

彼と、男女でいられる時は過ぎてしまったのだな、と悟ったとたんに

挨拶を返してくれないことや、

わたしにだけ向ける仏頂面や、

雑な物言いが

取るに足らないコトの集まりのように思えた。

 

こころのなかで語りかけてみる。

 

かつてのように呼び捨てにして。

 

タロー

いままでずっと酷いことを言ったり

甘えきってきてごめんね。

スコン、が降りてきちゃってさ。

わたし、思い出したよ。

タローは8つも下のオトコノコだったね。

ゆるす。

殴られたことも、罵詈雑言も、ぜんぶ。

 

タローは、

わたしをたくさん助けてくれたのにね。

助け方がへたっぴだ、

さらに助けろ

嫌そうにするな、

文句ばっかり言ってきたね。

そりゃ、キレるよね。

 

わたしね、スコン、が降りてきたから

オトコとしてタローを見られなくなった。

一時的なものではないと思うんだ。

タローも、きっと同じでしょ。

だから半年前からベッドが別になっちゃったんだよね。

 

この先のことだけど

 

ひとりで考えたプランがあるんだ。

 

聞く?

 

それともまた

話はしない、って逃げる?

 

 

 

 

いちばん近くて遠いひと64

1日ずつリセットしてゆかないと

闇に気持ちが引き摺り込まれそうになる。

 

彼とわたしは別人だから

わたしの望む反応でないからといって

気に病んだり萎えたりする必要はない。

 

相手に期待をするからいけないのだ。

 

彼もわたしも

極論なにを望んできたかといえば

おまえ、もうひとりのわたしに、僕になれ、だ。

 

おかえり、と、声をかけたら

ただいま、と、かえしてほしい、とわたしは

望む。

機嫌や体調にかかわらず、だ。

 

だが、彼はそれをしない。

 

彼サイドから考えるとするならば

おかえり、と言うのは言う側の勝手で

勝手に声をかけておきながら

ただいま、と、かえせ、と言われても。

はい、と返事をしているではないか。

 

というところか。

 

わたしの主張がおかしいとは思わないように

彼も彼でおかしいと思わないのだから

どうしようもない。

オーディエンスで決めたところで納得できないだろうし。

 

恋愛が終わり

もはや気持ちが冷え切り

自分にとって特別で、愛おしいと感じていた筈の相手が

その他大勢の誰かと変わらないポジションに

降格してしまった、と

そう感じるなら別れよう、という話し合いに

なって然るべき、とわたしは考える。

 

現に今、彼から感じる気配はそれ以外のなにものでもないわけだが、

彼から申し出を受けることはない。

いつだってそうだ。

決めるのはわたしだ、と言われ続けてきた。

彼曰く、選択肢があるのはわたしだけ。

彼には選択の余地がないのだとか。

わたしが去ればまたひとりに戻る彼。

今だって、ひとりきり、とかわらないような

暮らしぶりだけれど。

 

つまりは、

わたしがどうしたいのか、だけで考えればいいのだ。

もうこの先、以前のように時間を共有したり

手にしたものを分け合ったり

そういうことが出来るとは思えない。

話しかけても反応がないことにちいさく傷つくことに慣れてしまいたくはない。

ならば傷つかないようにすればいいと、

彼に構わないようにすると

状況はいつまでたっても変わらない。

では彼の元を去るのか。

 

ずっとずっと数ヶ月かけて考えてきた。

やはり彼がわたしにしてきたことは

自身の理想を押し付け、

それに反発することを許さないというもの。

いや、許そうと幾度も折れながら、結局

折れることで次の憤懣を増加させてしまった。

結果、執拗に手を上げた行為は許しがたい。

 

彼がわたしにしたことは許すことができない。

彼、というひとについては否定できない。

わたしは彼が好きなのだ。

 

罪は憎む。

彼を憎むことはできない。

 

だからなお、こうしてとどまっているのだ。

 

彼がどう感じているかはわからない。

きっと問い質してもわかりようがない。

ひとの気持ちなどというものは

流動的かつ、ちょっとしたことで

逆流したり、渦を巻いて停滞したりする。

 

互いに

相手次第でどうにだってなる。

 

動かなければこのままだ。

彼は動かない。

 

 

わたしは

だから

いつだって自由だ。

 

それがひどくさみしいことなのだ、と

どれだけ説明したところで

彼には理解できないだろう。

 

彼はずっと彼自身のことだけで

頭がいっぱいなのだから。

 

納得

タイトルに惹かれて借りた本を読んだ。

 

その通りだな、と、にやり笑ってしまった箇所がある。

 

「悪人はいつもイヒヒと笑い、

正義の味方はいつも怒っている。」

 

確かにそうだ。

善悪、の、悪を行い、したり顔で笑う怪人。

よくも!許さないぞ!と怒るヒーロー。

 

善とされるヒーローはたいてい怒りんぼだ。

 

先日お茶した、とある団体の勧誘メンバーとの

談話の最中に盛り込みたかったと思う。

 

犯罪もモラルも、時代や背景ごとに真逆になったりする。

善悪はその時々の多数決で決まるのだから。

彼らのいう「正しい行い」を遂行した結果

100年後の子孫らが、先祖の愚行に頭を抱える可能性はゼロではない。

 

戦争による大量殺人を犯して英雄になった人が

近隣住民に銃を乱射して終身刑、が

まかり通る不思議な世界。

 

善悪など、ある、とされるばかりの幻。

 

分厚い本に書かれてあることは

こうではないかな、と、世界と自分の関係性を考えるなかで常、結論づけたものに近く、

納得に納得を重ねたという具合。

 

わたしがしんだら

わたしのいない世界が残されるのではない。

わたしが世界を消滅させるのだ。

 

世界はわたしで

わたしは世界。

 

おそれることはなにもない。

あるものはいつかなくなる。

 

わたしに与えられた宇宙時間の限りを

知恵と惰性のみで存在しきる、

それだけだ。