★ひとファイル★

馴染んだ、親しんだ、愛した、嫌った、わたしが出会ったひと達のお話

いちばん近くて遠いひと44

事前に頼まれていたこともあって

今日は彼の職場へ。

 

2件使いをしに走り、そのまま業務研修に入る。

研修と言っても、専らわたしがわからないことを見つけ、質疑応答するという形式。

早く仕事を覚えるには実技からはいるのが最良だとは思うが、

いかんせんコミニュケーションが図りづらい今、そうさせてくださぃ、と言い出し兼ねている。

 

気の無い返事をされようが、

呆れたような顔で回答されようが、

いちいち凹んではいられない、と強気にいこうとするのに

さほど期待されてない感を醸し出されると

ナゼそこまでして、わたしがしゃしゃり出ねばならんのだ、と不貞腐れそうになる。

 

そんな雰囲気のなか、わたしたちのいまの状況を知る知人がやってきて

週末食事に行かないか、と誘ってくれた。

彼は彼女が、今のわたしたちの状況を知っていることを知らない。

だから、朗らかに対応して、快諾してしまった。

彼女を挟むと、ごく普通の世間話が成立するし、傍目には仲睦まじいふたり、と知人、に

映ることだろう。

帰宅すれば無言大会は継続しているというのに。

 

彼の職場から去り際に、他の用はないか、と尋ねて、食材の買い出しを引き受けた。

今日はお金を差し出してくる。

出す日と出さない日の違いが、よくわからないが、預かり、釣り銭をきっちり返してみた。

 

 

帰宅すると3日目のカレーの香りがしてきた。

ただいま、と声をかけると

おかえり、と返ってきた。

 

はぃ、ではなく、おかえり、だ。

まっとうな会話が成立したことにすこし

嬉しくなり、調子にのって

頼まれた調味料がわからず、今使っているのとは違うのを買ってしまったよ、と

伝えるも、なぜだかこれに対しては無言。

 

おかえり、の言葉くらいで

よろこんじゃぁいけないのだ。

 

食事会は

きっと笑いの絶えない場になることだろう。

落差にやられないようにしなくては。

知人の気遣いはありがたいが、

気が重い。

食事会まであと2日。