いちばん近くて遠いひと46
仕事終わりに夕飯の買い出しをして
図書館に寄って本を借りて帰宅。
彼は夕飯準備でキッチンにいた。
美味しそうなラーメンの香り。
全国名店セレクト宅配便のラーメンセットだ。
発注は2回目で、初回の時、これ頼もうかな、と呟く彼に同意して各店2食分入りだから、ちょうどいいね、と答えたのだが、
未だわたしはご相伴にあずかっていない。
いい匂いだね、と話しかけてみるも
返事はない。
はぃはぃ、もぅいいよ、黙ってます、と
こころでボヤいて買ってきた惣菜と
トマトをスライスしてチーズを乗せたものに
塩とオリーブオイルを回しかけたひと皿を用意して、自分のお腹を満たす。
食べ終えた頃、先に食べ終えた彼にむかって
温かい飲み物煎れるけど、いる?と問いかけ
コーヒーをさしだす。
飲んだ直後に寝息が聞こえてきたのを合図に
隣室にこもって数冊本を読み、
眠気が襲ってきたので、彼の居る部屋のベッドに移動して目を閉じた。
ぬくぬくと温まった彼の毛布にいっしょに
くるまりたいなぁ、とすこし思うも
前回の拒絶反応以来、いまいちどトライしようという気が起きない。
外は雨。
明日も明後日も雨らしい。
ひとつだけ気分を変える出来事があった。
通販で買ったお試しスキンセットが
なかなか良さげだったこと。
数日分の量しかないが、追加発注してみようかとおもいはじめている。
自分のために使う時間は膨大にある。
スキンケアを組み込んで見ようと思い立ったのだ。
セルフネイルに時間をかけることもできる。
もっと自分を大切にしてゆくのだ